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長身女性の小説

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竹長育枝の事情(5)

 ある放課後、他の生徒が帰った後、育枝は一人提出物をやっていた。提出し終え、帰ろうかという時。

「あ、デカ子じゃん」

「えっ?」

 数人の男子が忘れ物を取りに戻ってきた。その内の一人が普段誰も使わない呼び方で育枝を呼んだ。

「なあデカ子、またこの前みたいに電灯割ってみてくれよ!」

「あ、俺も見てぇ!」

「てか、本気でやったら天井もぶち抜けるんじゃねぇ!?」

 口々に言いたいことを言って育枝をからかう。明らかに悪意を感じられた。

「え、えっと、わたしは…」

「なあ、早くやってみろって!」

 昨年までの育枝ならあまり気にせずに断っていただろう。しかし、今や全世界を探してもとてもではないが簡単には見つけられないような身長である。化け物扱いされても仕方ない、そう自分でもたまに思ってしまうことがあるため、このようなことがひどく胸に刺さってしまう。

「こんなデケェ化け物なんだから、俺たちの言うこと聞いて人間になれよ!!ハハハ!」

「わ、わたし……!!」

 非情な言葉に、育枝の目に涙が溜まる。光輝がいれば、そう思って無意識に探してしまう。しかし彼はいない。最近は自分から光輝を避けているのだ。自業自得だと思うと、ついに大粒の涙がこぼれた。

「化け物のくせに、泣いてやがんぜコイツ、アッハハハハ!!」

「_____ぅ、うぅぅ、こ、光輝お兄ちゃあぁん!!!」

「アッハハハハ!光輝お兄ちゃ~ん光輝お兄ちゃ~ん。そんな図体で妹気分かよ。そんなに呼んでもお兄ちゃんは来るわけ___」

 パァンッ!!

「うわああ!!」

 育枝が泣き叫んだ瞬間、一人の男子が乾いた音と共に倒れた。同じことが何回か起こり、男子たちは皆鼻血を流して気を失った。

「育枝ちゃん!!」

 光輝だった。何故かそこには光輝が立っていた。もう既に帰ったはずの光輝が、そこにはいた。

「育枝ちゃん、大丈夫!?」

 普段は温厚で優しい光輝がなんと男子たちを殴ったのだった。心底心配そうな顔が育枝を見つめてい
た。
「…ひぐ、ひ、ん、ぅん……だい、じょうぶ…。ぉ、おにい、ちゃんは……?」

「大丈夫、ぼく鍛えてるから。それよりも育枝ちゃん、怪我はない?」

 いつもと変わらない言葉。いつもと変わらない微笑み。誰がどんなことを言ってもこの言葉にかなうものはない。光輝が自分に言ってくれるからこそ意味を成し、今この瞬間だからこそ意味がある。育枝は、この時ほど光輝を愛しく思ったことはなかった。

「ぼくが来たからもう安心だよ」

「…こ、光輝、お兄ちゃ___」

「___すごい声が聞こえたけど、大丈夫!?…って、なんで鈴木くんたちが倒れてるの!?」

 育枝が何か言おうとしたと同時に、学級担任が駆けつけた。育枝が発した、体同様大きな声が学校中に響いていたのだった。担任教師は育枝と光輝を交互に見据えた。

「…まさか二人が___」

「ぼくです先生、ぼくがやりました。鈴木くんたちが起きたら聞いてみてください。正真正銘ぼくがやりました」

 光輝は潔く白状した。“ぼく”というのをさりげなく強調するように。担任が光輝だけでなく育枝まで疑おうとしていたため、疑う余地をなくすため、そしてこれ以上育枝が傷つかないようにするため、即座に答えたのだった。

「せ、先せ___!」

「育枝ちゃんは何も悪くありません。全部ぼくがやったことです。育枝ちゃん、もう遅いし早く帰った方が良いよ、おじさんとおばさんが心配する。先生、良いですよね?ぼくが職員室で全部話しますから」

 育枝が担任に何かを話そうとしたのを光輝は遮り、二人に有無を言わさずに話を進めていった。初めて感じる今の光輝の雰囲気に育枝は何も言えず、担任は光輝に促され、職員室へ連行される。

「じゃあね、育枝ちゃん。気をつけて帰ってね」

 最後にそう言って教室を後にした。光輝はこの後尋問を受ける精神的な体力が、男子たちの言葉によって傷ついた育枝にはもうないことを知っていた。それ故に会話の主導権を握り、場を終わらせたのだ。そのおかげで育枝は帰り道に必要以上の涙を流すことなく済んだのだった。

 そんな彼は翌日から二・三日の謹慎をくらうことになる。
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  1. 2012/03/05(月) 00:09:24|
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