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長身女性の小説

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竹長育枝の事情(6)

 呼び鈴が鳴る。光輝の自宅に夕方、訪問者が来た。

 光輝の母親がドアホンに備え付けのカメラで来客を確認する。しかし、何かカーテンのようなものが見えるだけで人の面影は見えない。

「あら、育枝ちゃん、いらっしゃい。鍵開いてるから入って来てちょうだい」

 光輝の母親はそのカーテンのような布を見て瞬時に育枝だとわかった。その布の正体は、育枝のスカートだったのだ。股下だけでも140cm以上ある育枝は、ドアホンの位置だとお腹から腰にかけてしか見えないのだった。

「おばさん、お邪魔します。あの、光輝お兄ちゃん、いますか…?」

「あぁ、今自分の部屋にいるわよ」

 育枝は光輝の自室へと上がる。光輝の父親は育枝の父親の会社の重役であるため、家庭も裕福だった。家も豪邸だ。しかし今の育枝は鴨居を通るには少ししゃがまなければならないし、

 コンコンッ

 ドアをノックするにも、普通なら手を上へ向けて叩くところを、これまた少ししゃがんで、手を下げて叩かなければならない。

「光輝お兄ちゃん、わたし」

「あれ、育枝ちゃん?いいよ、入って」

 言われるまま部屋に、ノブをつまむようにして回し、めいっぱいしゃがんで入る。大きな家のため、普通の家とは違って育枝は頭を打つことはなかったが、頭の頂点は天井にすれすれである。

 光輝はベッドに腰掛けて本を読んでいた。

「やあ育枝ちゃん、なんだか久しぶりな感じがするね」

「…うん、私もそんな感じ」

 一日学校に一緒に行かなかっただけでこう感じるのも二人だからこそだが、最近は以前と比べてめっきり交流が減っていたという理由が大きいだろう。

「とりあえず、座りなよ」

 隣をポンと叩く。育枝はしぶしぶと、そしてゆっくり腰を下ろした。

 ギ、ギギギ、ギギ…。

 育枝の体重は100kgをオーバーしている。ふかふかのベッドが音を上げて少し傾いた。育枝は頬を赤らめた。

「…あの、昨日は、ありがとう……それと…ゴメン…」

「育枝ちゃんはなんにも悪くないじゃないか、なんで謝るの?」

「だって、謹慎処分って言うし…」

「そんなの、むしろラッキーだよ。育枝ちゃんに会えないのはすっごく嫌だけど、それを除いたら、自由な時間がもらえて好都合だよ。読みたい本がいっぱいあったんだ」

「そうなんだ……ゴメンね…」

「もう…」

 光輝は相変わらずな育枝にため息をこぼす。それからはしばらく二人黙ったまま時が流れた。

「…最近ぼくたち、少し疎遠な感じするよね」

「うん…」

「なんでだろう?」

「……わたしが…避けてる、から…」

「…なんで?」

 弱々しくも告げる育枝に、光輝は寂しげに尋ねた。

「………」

「身長の、こと?」

 ゆっくりと頷く育枝。再びため息をつく光輝。

「確かに、そのことについては育枝ちゃんにしか苦しさはわからない。だけど、ぼくは全然気にしないよ___」

「わたしが気にするの!!」

 育枝は光輝の言葉に勢いよく立ち上がった。

 数年ぶりに、光輝は育枝が自分に面と向かって怒るように叫ぶのを聞いた。

「光輝お兄ちゃんが気にしなくても、わたしが気にするの!こんな、ギネス記録にも載ってそうなほど大きいの、みんな化け物だって思ってるんだよ!?こんなに大きいのにまだ成長止まらないし、わたし、自分が怖いの!お父さんや、お母さん、友達、風景、光輝お兄ちゃんが、日に日に小さくなっていくんだよ、この気持ちわかる?わからないよね?わかるわけないよ、お兄ちゃん、そんなに小さいんだもん。光輝お兄ちゃん、わたしが今何cmあるか知ってる?」

「……たしか、この前258cmって」

「それは身体測定の時。あれから三ヶ月もたってるんだよ?…270cmだよ。一年生の時から変わらない、一週間に1cmずつ伸びてるの。もうお兄ちゃんより、1m以上も高いんだよ。お兄ちゃん、前に言ったよね。ギネス記録は272cmの大きな人だって。わたし、その人まであと2cmしかないんだよ?このままいったらあと一ヶ月もしないうちにギネス記録を更新しちゃうんだよ?わたしより大きな人なんていなくなっちゃうんだよ!?」

 育枝は目を真赤にして泣きながら叫び、訴えた。

「……もう、嫌なの……!こんなに変わってくわたしは…嫌なの……!!」

 切なる言葉を振り絞るように出す。それに対して光輝は変わらず見上げてまっすぐ育枝を見つめ続けて、黙って聞いていた。

「育枝ちゃんが言いたいことはそれだけ?」

 育枝は黙ったまま話さない。

「…育枝ちゃんがつらいことはよくわかった。いや、境遇の違うぼくがわかったって言っちゃ失礼かな……そう、いろんなことを胸に抱えてたってわかった。ぼくはわかったよ。でも、育枝ちゃんはまだわかってないことがあるよ?」

「……なに、そ___れ!?」

 次の瞬間、光輝は素早く立ち上がり、素早く育枝の手を取り、素早くそれを体ごと引いた。体重を乗せたその動作は、いくら育枝が重くても、筋肉が十分ついてはいない育枝の脚が耐えることを許さず、見事に育枝の全身を引き寄せた。そのまま育枝をベッドに勢いよく倒し、すぐさま馬乗りになる。

「ちょ、光輝お兄ちゃん!?」

「育枝ちゃんは全然わかってないよ!!」

 光輝は初めて育枝に怒鳴った。その剣幕に育枝は言葉を失った。

「そんなつらいことで苦しんでる大好きな人と、苦しみを分かち合えない気持ちを!何もしてあげられない気持ちを!何もできない自分を情けなく思う気持ちを!!そう思ってることを!!!」

 育枝は両肩をつかまれ、動けない。それ以前に今の光輝を相手に何も言うことができない。

「……仮にぼくが育枝ちゃんの立場だったとして、育枝ちゃんはそんな風には思ってくれないのかな…?」

 哀しそうに光輝は弱々しく尋ねた。先程とは違う意味で育枝の目から涙が溢れる。必死で首を横に振る。

「じゃあぼくって、そんなに頼りないかな…?育枝ちゃんの苦しみを、ぶつけてもらえないのかな…?育枝ちゃんのことを…もう、守れないのかな……?」

 髪が乱れるほど、無我夢中で否定した。

「ぼくが今押し倒してるのは、どんなに大きくなったとしても、育枝ちゃんなんだよ」

 困ったように微笑みながら、優しくそう告げた。育枝は、今まで胸にあった混沌としたものが、全部とは言えないが、すっと消えていくように感じた。

「こ、光輝、お兄ちゃ~~~ん!!!」

 やはり自分には彼が必要だ、彼と一緒にいたい、そう今までになく強く思った。呪縛からの開放は育枝を純粋にさせた。かつてのように、光輝の腕の中に全身抱かれることはもうできないが、今度は自分から彼を求めに行く。育枝は、光輝を強く抱擁した。

 チュッ。

 こんな擬音語が聞こえてきそうだった。無理矢理抱き寄せたため、そして育枝が無我夢中であったため、光輝が育枝に密着する瞬間、極めて事故的に、彼の唇が彼女の頬に触れたのだ。それにはお互い(特に光輝)気付いたが、その場ではあまり気にしなかった。現在股下146cmの長い長い脚。光輝の身長とおよそ十数cmしか変わらない。それを彼の体に絡め、今や彼の身長よりも遥かに長い両腕でしっかりとホールドした。それから、妙に平然とした光輝の母親が晩御飯の用意をしたと妙に遅い時間に呼びに来るまで、二人はじっとそのままだった。

 そんな熱い抱擁をした翌日、彼らは光輝が謹慎中を良いことに、育枝はズル休みをし、一日遊び、一緒に過ごしたのだった。

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  1. 2012/03/05(月) 00:11:15|
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